我が家では代々、お盆の迎え火は8月ではなく、「東京の盆」である7月13日に行っている。
その7月13日が、明日にやってくる。
それを差し置いても7月13日という日は、一生忘れられない日になるだろう。
今から1年前、2009年7月13日は「退院記念日」なのだ。つまり、1年前の今頃は、荏原病院のベッドの上で「入院生活最後の夜」を過ごしていたのだ。
去年の7月13日は、昼前に最後の検査と栄養指導を受けたあと、妻に手を取ってもらって、ゆっくりゆっくり、家路についたのだ。
しばらく部屋で横になっていたが、夕方、妻に呼ばれて庭に出てみると、「迎え火」の準備ができていた。
先祖を迎え入れる気持ちと、生きてこの家に帰ってきた喜びが重なり合い、何とも言えない気持ちになったことを覚えている。
今日の夕飯の時、妻に「明日、買い物に出たら迎え火の用意を頼むね」と言うと「すでに買ってあるよ」とのこと。とてもよくできた妻だ。
明日は無事、1年を無病で過ごせたことを喜びつつ、先祖を迎え入れる。