我が町から消えていくもの その２

先日、近所のデニーズが閉店してしまう、という話題を同タイトルで書いた。

その記事の中で、結婚してからは旗の台にあるジョナサンへ通うことが多くなり…というようなことも書いた。
今日は、昼過ぎ、門さんは塾、結芽子は友達と遊びに行き、妻は帰省中なのでひとりだけの時間ができた。
珈琲でも飲みながら考え事でもするか、と、自然と足は、ジョナサン旗の台店に向いた。
入口から中をのぞくと、今日は日曜日ともあって活気がある。ドアを開けようとしたとき、一枚の張り紙が目に付いた。
…なんということだ!!


このジョナサンに初めてやってきたのは、25年くらい前。大学生のころだった。その時のことは、はっきりと覚えている。
忘れもしない、高校の同窓会の帰り道。夜中に友達数人とやってきたのだ。その友達の中には、その後事故で亡くなってしまった、悪友もいた。
何を話したかは忘れてしまったが、「友達と夜中にファミレスでダベる」という、生まれて初めての楽しい経験だったことは今でも鮮明に覚えている。

大学卒業後、休みの日にパソコン通信のラップトップPCを持ち歩いてデータ入力などをするようになると、「ホットコーヒー飲み放題」のデニーズに通うようになっていた。
しかし、結婚して一時的に近所へ引っ越した際、もっとも近いのはこのジョナサンだった。
ジョナサンは「ホットコーヒー」に加えて「アイスコーヒー」も飲み放題だったので、ノートPCを持ち込んでプログラミングをしたり、ゲームのストーリーを考えたり、もちろん、ただ単に夫婦でだべったり、そんなことが週に何度もあった(そののち、ドリンクバーになったのが決定打になった)。
子供ができて、やがて実家に戻ってからも、ジョナサンは「ファミレス」のホームグランドだった。遠くから来た友達を招待したこともあった。今は亡き母と伊豆に旅行した時、最後の〆はこの店だった。会社帰りに何度も寄った。野球の朝練がえりに、モーニングを食べに来たことも何度もあった。クルマを買ったとき、最初に行ったファミレスもここだった。結芽子の塾帰りに、夕飯を食べたこともあった。

おそらく、「我が家の食卓」そして「大学や会社の食堂」、その次に多く通った食堂はこのジョナサン旗の台店だったと思う。

「歩いて行ける距離」にファミレスがなくなる、というのは不便だが、それ以上に「思い出の場所」がなくなってしまう寂さは言葉に現し難い。

これまで、「生活の一部」だったジョナサン旗の台店。本当にお世話になりました。ありがとう。